時々どうしてだろうと考える。いや望んだんだけど、それから生まれた結果なんだけれど。 今この腕の中で何故抱きしめているのかと不思議に思う。 「あっ、…んん、はぁ…」 俺の手で、俺のモノの愛撫でよがる夜久。 その光景を見ているとなんだかふわふわとしてきて、自分はどこにいるのかわからなくなる。そう、まるで夢の中にいるような感覚。 そうだ、俺は奇跡の中にいる。 あの学園のマドンナをこの腕に抱いて更には淫らに抱いている。 本当に夢のようで、だから今この瞬間がどうか正夢であれと願う。 だけど、きっと夢なのだから。 夢ならば。 もっと求めたって構わないだろうか。 「白、鳥く…ん……?」 「夜久…、ごめんな」 「へ」 あらゆる手立てを尽くして激しく愛撫するとそれに応じて激しく反応する体。それを連続的にして翻弄する。全身を愛されて喘ぐ夜久は快感に塗れて気持ちいいを通り越してとても苦しそうで。 でも、だけど。一刻の猶予も与えない、与えたくない。それくらい必死なんだ、わかってくれ。 お願いだ。 「ごめんな…ごめんな、」 「し、あぁっ、ぁん…っ」 何度も何度も許しを乞う。だけど彼女が言葉を発せないほどに翻弄しているから欲しい言葉は彼女の喘ぎ声に変換されている。 彼女の喘ぎ声で満たされた俺の脳内は、懺悔の感情で上書きされて、働かなくなった思考は更に許しを乞うことしかできなかった。 回る回る、感情と思考と言葉。 ぐるぐる回る、自分達の周りを。 俺達はそれらに翻弄されたただの人間にしか過ぎない。 ああ、夢よ、夢。 ひとときの幸福を運ぶ箱舟よ。 これが泡沫の幸せならば、今だけはどうか、俺にだってそれを味わせてください。お願いします。 現し世の夢に縋る (夢じゃないよ) (そう囁いた彼女の声が小さく聞こえた) 優希様へ request thanks! 2011/07/29 |