「くっ、……月子………」 「っあ、おねが……、もっと……もっとぉ………!」 「………っ……」 もっと、もっと。 私がその言葉を口にするたび貴方の顔が悲痛で歪む。 なんでそんな悲しそうな顔をするの? 私がそばにいるよ。 貴方のそばにいるのに。 どうして悲しいの? 恋は盲目。灯台下暗し。 何年も前の先人たちは、よく人間をわかっていたと思う。 恋に溺れて、何も手がつかない。 何もわからない。 相手の気持ちさえも。 もう何でもいい。 この体温を感じられるなら、ずっと、ずっと感じられるなら。 愚かだと言われてもいい。 どんなに怠惰になったっていい。 酔って、乱れて。 もう何も、考えられない。 ラヴァーズフェイク (いつの間にか、求めることしか出来なくなっていた。) 2011/01/06 |