呼吸をする。 呼吸を、している。 『確実に生きている』 否定はできない紛れも無い事実。 悔しいほどに、もどかしいほどに、今、私たちは生きている。 だから、そう。 着実に近付いているはず。 ああ、なのに、どうして、 貴方が手に入らないの? 私は自ら願わなくたって、何でも得られてきたじゃない。 与えられてきたじゃない。 優しくて守ってくれる幼なじみも、一生懸命一緒に汗を流して頑張ってくれる仲間たちも、愛故の厳しさをくれる先生方も、明るくて楽しい仲間たちも、全部、全部くれたじゃない。 自然と手に入った小さな幸せを自然と享受してきた私は、大きな幸せを掴むには私が望めばいいのだと自然に思い込んだ。 だから、どうして、どうして。 貴方は手に入らないの。 今日も私は手を伸ばす。 まるで最初から届かないとわかっている星を掴もうとするかのように。 だからやっぱり貴方は手に入らなくて。 するりと手をすり抜けていく。 触れられそうで、触れられない。 例えるならそれは、もどかしい感覚。 …仲間の延長線上には、私たちの座標は存在しないみたいだね。 小さく溜息をついて、思い返す。 いつもの冗談混じりで笑う貴方の顔が、悪戯っ子のように笑う貴方の顔が、私の脳裏に焼き付いていて、決して離れない。 唯一手に入れられたこれだけは、絶対、離してあげない。 全部いらないから、何もかも。 他の人に全部あげてもいいから。 お願い、私の望みを、叶えて。 …なんて言ったって、叶えてくれない。 意地悪ね。 ああ、もう、これほどもどかしくて苦しくて辛いことなんて、もう二度とありませぬよう。 願いをこめて、星屑に。 (無駄だと知りながらも乞う) 2011/04/10 |