「げほっ…」 ああ、またか。 咳込んだ貴方の目の前には私。 今正に行為の真っ最中。 「だいじょうぶ?」 「…ああ、」 虚ろな瞳、大丈夫だなんて言わないで。 絶対大丈夫じゃないよ。 「かぜ?」 「っ……多分、」 「はやくなおしてね」 「……ああ」 そう言った貴方の瞳には私。 私だけが映っているの。 ああ、なんて嬉しいの。 「ねえ、はやく、」 「わ、かった」 止まっていた腰が動き始める。 だんだんと早くなる律動。 それと一緒に私の意識もだんだんと飛んで行きそうになって。 そんな中思い出したことは、貴方が風邪を引いているかもしれないということ。 ねえ、粘膜感染って知ってる? ねえ、その風邪を私に移してよ。 ねえ、私の中に貴方のそれを移してよ。 ねえ、早く、出してよ。 どこへ行くのかわからない意識の中で、私はただそれだけを必死に乞うた。 吐くならここにしなさいな (頂戴頂戴と乞うしか出来ないから) 3000HIT thanks! 2011/03/28 |