sakura1 | ナノ













貴方のこと考えると、胸が痛くなるの。





とても近いのに、なんだろう。
私たちの間には壁があって、これ以上進めない。

私はもっと近付きたいの。知りたいの。触れたいの。
なのに、どうして許してくれないの?
どれだけ仲が良くなったと思ってもそんなのは私の思い違いにしか過ぎなくて。仲が良くなってるように見せてるだけで、上辺だけにしか過ぎなくて。

私に対しては親身になってくれるのに、今度は私が近付こうとすると、音もなく離れていってしまう。
それは私しか気付いていなくて、結構そういう雰囲気がわかりそうな颯斗くんとかも全然わかってないみたいで。
そのことで私が沈んでいると、近寄って来てくれるのは生徒会のメンバー。
気付いてくれるのはすごく嬉しい。嬉しい、けど。

一番来てほしい貴方は来てくれない。
そのことが、私の胸を締め付ける。



もう、やめちゃおうかな。
だって、辛いんだもん。
この微妙な関係が。

もう、嫌になっちゃうな。



はあ、と一つ大きな溜め息をつくと、私の吐き出した空気と一緒に私の気持ちも外気と混じり合い消えてしまう、そんな気がした。










アットザトウトオブユー
(気がしただけ、だけど、)





2011/02/19