「翼くん?」 「うぬぬ……」 仕事中の書記の背中に張り付く。 でもあるもどかしさは拭えなくて。 どこまで俺はおこがましいのだろう。 「気にしないで……」 「うーん、気になるんだけどな……」 「いいから!」 「……うん」 さっきよりももっときつく抱きしめる。 ダメだ、ダメだ。 足りないや。 俺はこんなんだけど、君は? ねえ、君はどうなの……? ……ああ、そうやってまた縋ってる。 でも独りは寂しいんだ。怖いんだ。 一度覚えた温もりは、簡単に忘れない、いや、忘れられないんだ。 特に君からの温度はとっても心地好くて好きだ。 ううん、温度だけじゃない。 君のことも、大好きだ。 だからあっためてよ。 君のその優しい心で。 俺を芯から温めて。 そう思いながら俺は彼女の背中にブレザー越しのキスを送った。 水槽越しにキス (直接触れることは、怖いから) 02/03 Tsubasa Amaha HAPPY BIRTHDAY! 2011/02/05 |