足りない、足りない、足りない……。 「せ、んぅ、……ふっ、んんぅ!」 いつもより数倍長いキスにあいつが苦しがってる。 息が苦しいと俺の胸を叩くけど、そんなのは知ったことじゃない。 今、俺は、お前に飢えているんだ。 唇に触れて、舌を唾液を絡めて、歯列や歯茎の隅々まで愛して。 今はここまでだけど、近い将来には肌と肌をくっつけて、体温を共有して、どちらのものかもわからない液でぐちゃぐちゃになって。 深く、ふかく、俺をお前のナカに差し込んで。 お前をもっと感じて、お前を離さないように、俺のものに……。 ………そこで、はたと気がついた。 オレハ、ナニヲヤッテイル……? 一気に我に返り、すぐさまあいつを離した。 「はっ、はあ……はあ……」 荒い息を吐きながら保健室の床に座り込んだあいつを、俺はまるで高いところから地上を見るかのように見下ろしていた。 なあ、誰か、俺をとめてはくれないか? 独善ボーイ (誰か、を求めて行き着くのはお前) 2011/01/16 |