「田中くん、何味にする?」
「フン、俺様がこのような俗世のオーラに満ちた領域で口にするものなど、無い」
「ねーねー、味見どうぞってこれもらったよ。はい」
「やめろッ! その様なもの、俺様が好むとでも」
「パンプキンプリン味だってー。かぼちゃかあ。そう言えば今月ハロウィンだもんね」
「……そうか」
「あれ? 食べるの?」
「悪魔が好むと謂われる禍々しき食物ならば俺様の口にも合うやもしれん。……ぐッ!」
「たっ、田中くん!? どうしたの!?」
「おのれッ……! 俺様の舌を誘惑するとは……この味、″組織″の陰謀に違いない……」
「あ、ほら、買うのか買わないのか決めないと」
「だがッ! この程度の仕掛け、どうということはない。ククク……敢えてこの身で受けとめ、これしきの術では俺様に傷一つつけることができんと、証明してやろうではないかッ!」
「サイズと、好きなフレーバーを言えばいいんだよ」
「パンプキンプリンをキングサイズでお願いします」
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