※ ごちそう
クラスメイトの夜飯がカップラーメンだったらしい。
きのう台風でもきたか?なんて言ったら、この贅沢もの、とじとめで言われた。
「…なんでやろうな、和葉。」
「なんでって…。」
呆れたように溜め息をつく和葉は、ふらりと歩く。
いつも通りの帰り道。
「和葉にとってのごちそうってなんや?」
「平次んとこのおばちゃんのごはん!お好み焼きや!」
「なんやー、安上がりやな。」
「…なら、平次はなんなん?」
じー、とこちらを見つめてくる和葉ににやりと笑って、くい、と痛くないようにポニーテールをひっぱり抱き寄せた。
「…和葉…って言ったら、どないする?」
次の瞬間、体が宙を舞ったのは言うまでもない。
完
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