言葉で殺して






「…平次。」














知ってるよ。


蘭ちゃんが曖昧に笑う。

ラブラブだね、服部くんと。って。


アタシはそうやろかーなんて、おんなじように曖昧に笑う。












工藤が言う。

遠山、笑わないなって。

そうやろか、なんて言ってコーヒーに口をつける。

工藤は眉を潜めて、気付いてないならいいや、とコーヒーに口をつけた。











知らないふりで幸せになれる。

そんな簡単なこと思ってやいない。





「…平次。」





振り向かないで。
お願いだから、振り向かないで。


違うの。

好きって、わかんないの。




「なんや和葉。」




和葉、和葉。
小さい頃から知っている和葉はいつの間にか知らない和葉になっていて。










「…別れようか。」





どちらからともなく言い出した言葉は、案外重くなくて、ただ縄みたいに心臓を締め付けた。




和葉は、そやね、俺も、そやね、って。




ただの幼なじみやね。








「なぁ、平次。」




平次、警察官になるんやろ?
やから、アタシを殺せへんやろ?




やから、




「言葉で殺して。」












そやね。




「死ねよ。」



















ダメだ駄文だ…。






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