オレンジ
夕焼け空のオレンジを見てみかんみたいでおいしそうっていうどこぞのクソメガネをおもいだすのはもう末期なのかもしれない。
「ハンジよ。」
お前はいつも笑っていたな。
迷惑なくらい明るくて、キラキラして、馬鹿みたいにこの壁の向こう、巨人について楽しげに、凛々としていて。
悲しかったら悲しいだけ泣いて喚いて。
悔しかったら憎しみにすべてをぶつけて。
喜怒哀楽激しいお前の表情の無い姿を見なければならないとは思わなかったが。
ずっとずっと前からわかってはいたんだ。お互いに。
ただ、それがいきなりで、いまだなんて、また明日の餓鬼じみた約束すら出来なくなるなんて。
思わなかったんだよ。
それはお前もだろう?クソメガネ。
俺より先にいきやがって。
ぐしゃり。手に握っていた手紙を握りしめる。
馬鹿げている。
馬鹿げているぞハンジ。
お前は奇行種だが最強の俺と並ぶ分隊長様だろうが。
なんでこんな手紙を書いて壁外になんて行っていたんだ。
なんで、なんで、なんで。
遺書かよ、これ。
馬鹿げているって、言っているだろ。クソメガネ。
「…ハンジよ。」
何か言い返せよ。
いつもみたいにクソチビやらなんやら。
『リヴァイ。
貴方がこれを見ているという事は私はもう貴方の隣にいないんだね?
貴方の隣で笑えたこと。
貴方が見る夢を恨んだこと。
私はもうこれだけで満足なんだよ。
だからさ。
貴方が別の人と深く幸せになることを私は祈るよ。
いままでありがとう。
ハンジ。』
「…ちくしょう。」
お前以外幸せになんて出来るわけないだろ。
ただひとつ言えることは、お前のいる世界で笑えたこと。
お前の馬鹿げた理想を卑下したこと。
「…あぁ。」
オレンジが眩しい。
ぐしゃりと握りしめた手紙を綺麗にひろげ、元通りたたんで封筒にいれる。
「くそ。」
貴様のいる世界で笑えたこと。
貴様のいる未来を願ったこと。
貴様の理想を恨んだこと。
全部何年たっても忘れないだろうよ。
オレンジ
(君のいる世界で笑ったこと)
(君の見る未来を恨んだこと)
ーーー
まとまらないしハンジさんが死んじゃって悲しい。
BGM→オレンジ/トーマ
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