いちごもぐもぐ

佐久間くんと暮らし始めて二日が立ちました。
いまだにあまり不便を感じません。

ちなみに――、


「ペン子――!」


この名にも慣れません。

「きゅい?」


軽く首をかしげて返事をすると「ああ!さすが俺のペン子!かわいい!!」と悶える佐久間くん。
ペンギンがそんなに好きか。
ペチペチと悶え倒れる佐久間くんを叩くとさらに悶えた。おい本題はまだか。


「……っは!悶えるためにペン子を呼んだんじゃなかったんだ!」

ようやく本題を思い出したのか、ハッとなる佐久間くん。
うん、思い出してよかった!
にしてもしゃべれないと不便だね!!


「じゃっじゃじゃーん!イチゴだ!!ペン子のために買ってきたんだ!!」

「きゅい!!!?」


イ、イチゴ…だと!?
イチゴは私が前世で最も好きだった食べ物ではないか!
ペンギンの状態でも食べれるとか……私幸せ者!?


「好きなだけ食えよ、ペン子!!」

「きゅーい!!」

わーい、と手を挙げて喜ぶ。イチゴっイチゴっ♪
私はイチゴをひとつ手に取り、ぱくりと口に含んだ。


「どうだ、美味しいか?」

佐久間くんに問われ、頷く。
ああ、やっぱりイチゴは美味しいね!

そう思い、ゴクリと飲み込んだ瞬間。





ぼわんっ




あたりが煙に包まれた。


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