いちごもぐもぐ 佐久間くんと暮らし始めて二日が立ちました。 いまだにあまり不便を感じません。
ちなみに――、
「ペン子――!」
この名にも慣れません。
「きゅい?」
軽く首をかしげて返事をすると「ああ!さすが俺のペン子!かわいい!!」と悶える佐久間くん。 ペンギンがそんなに好きか。 ペチペチと悶え倒れる佐久間くんを叩くとさらに悶えた。おい本題はまだか。
「……っは!悶えるためにペン子を呼んだんじゃなかったんだ!」
ようやく本題を思い出したのか、ハッとなる佐久間くん。 うん、思い出してよかった! にしてもしゃべれないと不便だね!!
「じゃっじゃじゃーん!イチゴだ!!ペン子のために買ってきたんだ!!」
「きゅい!!!?」
イ、イチゴ…だと!? イチゴは私が前世で最も好きだった食べ物ではないか! ペンギンの状態でも食べれるとか……私幸せ者!?
「好きなだけ食えよ、ペン子!!」
「きゅーい!!」
わーい、と手を挙げて喜ぶ。イチゴっイチゴっ♪ 私はイチゴをひとつ手に取り、ぱくりと口に含んだ。
「どうだ、美味しいか?」
佐久間くんに問われ、頷く。 ああ、やっぱりイチゴは美味しいね!
そう思い、ゴクリと飲み込んだ瞬間。
ぼわんっ
あたりが煙に包まれた。[ 8/10 ][*prev] [next#] [bkm/back]
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