※やんでれ
※ちょいグロかも


「っ、もう、離してくれないか……」


「だめ」

私は風丸の長くて綺麗な髪をするりと手で梳く。彼は少し歪んだ顔をしたが、そんな顔も素敵だと思う。
ちゅう、と私は髪に唇を落とした。そして風丸の額、首筋、手の甲、と次々に口づけしていく。

「風丸はわたしのもの。わたしだけの、」

そう呪文のように呟きながらまた私は彼の手に口づけをする。
ああ、かわいい。すてき。わたしだけの、風丸。わたしだけに見せる表情。動作。全てが愛しい。

「おまえは、間違ってるっ……」

「まちがってないよ。わたし、風丸がだいすきだもの。だから、こうするの」

私はカッターをポケットから取り出し、手に当てた。すると綺麗な傷口ができ、新鮮な赤をした液体がにじみ出る。

「そんな顔も、すてき」

私は彼の血をぺろりと舐める。衛生的に駄目だとか、そんなの知らない。彼の血は澄んだきれいな色をしているから、穢れてなんかいないから、大丈夫。

「カッターを、風丸の首筋に当てたらどうなるかなあ」

そういうとおびえた表情をする。あ、はじめてみた顔だ。また新しいあなたを知れた。嬉しい。

「だいすき、だいすきだよ、風丸――…」

私はそうっと、壊れ物を扱うように抱きしめた。





(君さえいれば、)

何も要らない

----------
実際は人を切りつけたり、人の血を舐めたりしては絶対にいけません!
真似はしないようにしてください。




back