「太陽、お見舞いに来たよー!」

「あ、なまえ!」

私は明るく太陽の病室にはいると太陽はぱぁぁっ、と瞬く間に笑顔になって出迎えてくれた。

「じゃーん、今日はお菓子作ってきたんだよ!」

「やった!なまえの手作りお菓子美味しいんだよね!」

嬉しそうに笑う太陽。それを見ると作ってきてよかった、って思える。

私と太陽は幼馴染。
と言っても私はこの病院の院長の娘で、同じ年代の入院してる人がいると聞いて会ってみたら案外気が合い、仲良くなったのだ。

「わっ、なまえのカップケーキだ!」

「ふふ、太陽カップケーキ好きだもんね」

「違うよ、なまえのカップケーキが好きなの!」


そういう太陽を見て少し顔を赤くしながら私はありがとうと呟いた。
そのあと、暫く太陽と面接時間が終わるまで談笑していた。




「あら、なまえちゃん」

「あ、冬花さん」

太陽の病室を去り、廊下を歩いているとナースの冬花さんとバッタリ。

「太陽くんのお見舞い?」

「はい!」

「ふふ、本当に仲いいわね、あなたたち。そういえば院長が呼んでいたわ」

「お父さんが?」

「ええ。話があるそうよ」

わかりました、と私は冬花さんに告げると、ふわりと冬花さんは笑った。
私はそのまま院長室を目指して歩いた。




「お父さん、なまえだよ。入っていい?」

「………あぁ」

私は一応ノックして入っていいか聞いた後、了承をきちんと得て院長室へ入る。
中では白衣を着たお父さんが椅子に座っていて、そこに座りなさい。とお父さんが座っている真正面のソファを指さしながら言われたので言葉に甘えて座る。

「話って、何?」

「あぁ。…………雨宮太陽くんのことだが、」

雨宮太陽の名前に、私はピクリと反応する。

「なまえ……、お前は雨宮くんのことが好きだろう?」

突然の言葉に驚いたが、私は正直にうん、と言った。

「なまえには悪いが――諦めなさい、」

は、と声にもならない声が出たと思う。
恋をして、親がそれを、諦めなさい?
冗談じゃない。

「私は、諦めたくないよ」

「――、なまえ、あのな………」


「              」



告げられた言葉に私は息をのむ。
なんで、なんで、なんで、
病気を治すのが医者じゃないの、お父さんは医者だから、太陽のこと、助けてよ。

私は黙って部屋を飛び出した。




いつも笑顔で、気さくで、サッカーが上手で、いろんな人から慕われる彼。



ねえ、神様。
なんで太陽なのかな?
どうせなら私が、太陽の代わりに病気だったらよかったのに。

私は一人で涙を流していた。






((雨宮くんの病気は一生かかっても治らないだろう))

((お父さんが告げた言葉が、いまだに耳に残っていた))



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太陽くん好きです。
公式では治ると信じてる(`・ω・´)

title:反転コンタクト




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