「あ、の、社長……」
「なんだい、なまえ」
「なんで私は社長の膝の上にいるのでしょうか…」
こんにちは、まだまだ23歳で若いなまえです。 本日、私が働いている会社の社長様に呼ばれたと思ったらこの状態。 私がさっきのように問うと社長は私をぎゅっとして「好きだからだよ」と囁く。 正直耳元で囁かないでほしい。ヒヤッとする。
「社長?この企画ですが――」
こんなとき、社長の部屋の扉が開かれる。 入ってきたのは秘書の緑川さん。 私たちを見た瞬間固まった。
「わ、わ、緑川さん!こ、これは違うんですよ!!」
「何が違うんだい?僕たちの仲じゃないか」
「どんな仲ですか!」
私が社長の膝から降りようとするとまたぎゅっとされて阻止される。 緑川さんはというと、ぷるぷると身体を震わせたと思ったらキッとこちらをにらみ、
「社長っ!なぜなまえさんがここにいるんですか!」
と叫んだ。 それを聞いた社長はというとさらに抱きつく力を強くして「僕がなまえが好きだからだよ」と言う。 ま、また冗談言って!
「なまえさん、困ってますよ!離してあげてください!」
「それは単に緑川が嫉妬してるだけじゃないの?」
「ち、違います!」
そんな会話を交わしながら社長と緑川さんが私を引っ張り合っている。 なんで、こんなに必死なの!?
信号機に挟まれた
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