「私、アンタのこと嫌いだから無理」
目の前の彼はものすごく驚いた表情をして、すぐに「ごめんな、」と謝った。
なんで謝るの。謝りたいのはこっちなのに。
数年後、彼は夏未ちゃんと付き合い始めた。
さらに、数年後。二人はついにゴールイン。 あの時の仲間はみんな祝福した。 もちろん私も。
結婚式の夜、私は一人で涙を流していた。
「俺、なまえの事が好きだ」 ちょうど十年前、彼に告白されたことを思い出す。
私は小さく、あの時告げるべきだった言葉をぼそりと呟いた。
ほんとうはぜんぶ、うそだったよ。 (私も好きだよ、円堂くん)
------------ 自分に嘘を吐き続けてきた女の子のおはなし。
title:確かに恋だった
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