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「今日このクラスに転校してきた如月さんです」

「はっ、はじめまして!!如月まりん、です…!」

よろしくおねがいします、とお辞儀するとパチパチパチパチ…と拍手される。

「席は…………そうね、天野さんの後ろの席が空いてるからそこね」

天野さん、と先生が呼ぶと「ふぁい…」と眠そうな声で手を上げる少女がいた。
彼女が天野さんなのだろうか。私はとりあえず先生に指示された天野さんの後ろの席に座り、「よろしくね、天野さん」と声をかけておいた。のだけど、くるりと天野さんはこちらに振り向き、またもや眠そうな声で

「天野さんなんて堅苦しいー。下の名前で呼んでよ」

とちょっとジト目で言われた。下の名前って……


「あ、あの…。私、天野さんの下の名前しらない…というか………」

「あれ、そうだっけー?私、天野 梨穂ね。よろしくー」

「え、あ、うん、梨穂、ちゃん?」

ん、と軽く返事して梨穂ちゃんは前を向いてうつ伏せになった。寝たのかな?
その後、結局梨穂ちゃんはHR中一回も起きなかった。

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