「………!」
目の前に広がるは、マリンブルーの海。
私は砂浜に腰をおろし、暫く眺める。
「き、れい……」
海って、こんなにも綺麗なのか。
写真や絵本でみたものより、ずっと綺麗で。
私は気付くと、涙を流していた。
「おい!お前、どうかしたのか!?」
「!?」
少年の声に我にかえる。
「怪我でもしたのか、痛いところはどこだ!?」
「あ、あの…!」
「とりあえず、病院だな!」
「ひゃぁっ」
私は何も言えずにいると、ピンクの髪をした少年に横抱き――所謂姫だっこをされた。
「近い病院何処だったっけか…」
「あ、の!私、怪我なんてしてません!」
「え、そうなのか?」
少年はキョトンとした顔になる。じゃあなんで泣いてたんだ?、と聞かれてうっ、と言葉に詰まる。
普通に考えて私は変な人だ。
だって、ただ海を見てただけなのに、泣くだなんて。
でも少年は不思議そうな顔をするので仕方なくカミングアウトすることに。
「わ、私…海見るの、初めてで、それで、予想以上に綺麗だった、から、つい感動して…」
「お前、初めて見たのか!?」
驚いた顔をされた。まあ、仕方ないけど。変なひと、って思うんだろうな…
「海ってすっげー綺麗だろ!俺も初めてみたとき、超感動したんだ!」
「え…」
私がキョトンとした顔をするとどうかしたか、と聞いてくる少年。
「い、や、あの…変なひと、って思わないん、ですか?」
「え、どこがだ?普通のやつじゃねぇか」
私がまた驚いた顔をすると彼はニカッと笑った。
「俺は綱海条介。よろしくな!」
海
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