……サッカー棟、広いなあ。
とりあえず、そう思った。
うん、10年前と比べると断然デカイ。
びっくりだね!!

なんて、変なことを考えていたら此処、サッカー棟から出ていく先輩らしき人達。

あっ、と天馬が声を出すと先輩たちも此方に気付いたようだ。

「お前は……」

「今は取り込み中だぞ」

モヒカンっぽい頭をした先輩が親指を立てて、後ろを指す。
私たちは「何かあったんですか、」と聞くと

「入部するつもりなら、やめておけ」

「サッカー部は、終わりだ」

そう、口々に言い始めた。
サッカー部が、終わり?
もしかして、フィフスセクターに目をつけられたからとか?

え、と呟く天馬に、どういうことですか!と抗議する西園くん。
そんな彼らに対し、先輩はケッ、いいから帰れよ。と言葉を投げ捨てて、サッカー棟を去る。


「……やな感じ」


葵がそう呟いて、私は無言で頷いた。
天馬はそのまま、ミーティングをしている部屋へと走って行き、私たちはそれを追いかけた。