ちゅんちゅん、と小鳥のさえずりが聞こえる。
うーん、朝、か…なあ………?
ゆっくりと目覚まし時計を見ると目を点にして驚愕した後、叫んだ。

「ぎゃあああああああああああああああ遅刻するううううううううううううううう」

やばいやばいっ、盛大に寝坊しちゃった!
起こしてよ春奈ちゃんのばかー!
ふと机をみると「先に行きます。ちゃんと起こしましたから文句は言わないでくださいね! 春奈」と書かれていた。
ううう、起きなかった私のあほー!

私は急いで新しい制服を身にまとい、家を出た。



「はっ、はっ………つ、ついたー…」

走ってきたため、息が切れる。
こんなに本気で走ったのは、本当に久しぶりだと思う。

きょろきょろすると、もう大分生徒は登校したようだ。
間に合ってよかった、と思う一方で、時間があるならあの部室が見たいな、という欲望が出てきた。
うん、きになる。今は使われてないだろうけど――私たちが使った、あのときの部室。
よし、行ってみようじゃないか!
そう思い、私はあのときの部室へと歩き出した。



「――は、」

この一言に限る。
私が旧部室で見たもの――それは、真っ二つに割れたサッカー部のプレート。
旧ではある、あくまでも今は使われていない――でも、これは大切なもの。
私は沸々と怒りが湧く中…………

「なあ、サッカー部今大変なことになってるらしいぜ?」

「ああ、知ってる知ってる。今試合やってるらしいけど見に行くか?」

そんな会話が聞こえた。
外のグラウンドではやっていない――だったら、春奈ちゃんの言っていたサッカー棟という場所でやっているのだろうか。

私は気付いたらサッカー棟のあると思われる方向へ向かって走っていた。