―――数日後。
私は現在、敵のアジトに乗り込もうとしています。
アジト、といっても公表にしているからある意味アジトじゃないよね。
…と、とりあえず、私は今フィフスセクターの本部の前にいるのです。

「風丸心愛さんですね?聖帝がお待ちです」

「はい」

私は本部の前にいた迎えの人に返事をし、大人しく着いていった。



ついた場所は、聖帝の部屋と思われる場所。

「失礼します、聖帝。ライセンス取得試験合格者を連れてまいりました」

迎えの人はそう言いながら部屋に入る。私はその後について行った。
入ってすぐの場所はレッドカーペット?みたいな感じで、聖帝の座る椅子まで広がっており、左右にはたくさんのおっさんたち。

私は聖帝の椅子へと向かう階段を上り、聖帝の前に立った。

「今回はライセンス取得試験、おめでとう」

「………ありがとうございます」

聖帝がお褒めの言葉と共に取得証とライセンスの証――腕章を渡すので、私は軽く睨みながらぺこりとお辞儀をし、それを受け取る。

「さて、ひとつ提案があるのだが、」

聖帝が、提案?
意味分かんないけど聞いてやろう。

「君の実力は本物だ。我々フィフスセクターも認めている」

ああ、それがなに?
そりゃイナズマジャパンで戦ったもんねーはっはっは。

「そこで、君にはシードになってもらいたいと思うのだが、どうかな?」

「ごめんなさい無理です」

即答した。

「……理由は?」

「縛られたくないから」

フィフスセクターに、今のサッカーに。
私は二つの意味を込めながら告げる。

そうか、と呟く聖帝。
そして立ちあがり、私の耳元である言葉を囁いた。

「         」

「――!!」

「改めて、おめでとう。今後の活躍に期待する」

「……はい」

私は考え事をしながら、軽く返答をした。
な、んでアイツが、この事を―――?

私は結局帰ってからもそのことをずっと考えていた。








「やはりお前は、今のサッカーを嫌うか」



「何故縮んでいるかは知らないが、」



「せいぜい足掻くがいい、」




「風丸一郎太の双子の妹、風丸心愛よ」