「今日からバスケ部のマネージャーになりました、七海 葵です。よろしくお願いします」

ぺこり、と頭を下げると部員からぱちぱち、と拍手があがる。その部員の中にはもちろん、ゆきちゃんや森山先輩がいる。そして、黄瀬くんも。ちらり、と黄瀬くんを見ると、ぱちりと目が合った。思わず、目を逸らしてしまう。

「それじゃ、全員外周10周から! 小堀は七海にマネージャーの仕事を教えてやれ」

「「「「はい!」」」」



「――で、スポドリの粉は、この分量で入れるんだよ」

「なるほど………」

小堀先輩の発言をひとつひとつメモ帳に記録していく。小堀先輩はマネージャーの仕事を丁寧に教えてくれた。分からないところを聞いても、親切に教えてくれました。すごく優しい先輩だなあ。

「それにしても、七海さんがマネージャーになってくれて助かったよ。去年まではマネージャーいたんだけど、卒業しちゃったんだよねえ……」

「そうなんですか?」

「うん。だから、七海さんが入ってくれて、嬉しいよ」

ふわり、と優しげな笑顔で微笑む小堀先輩。ああ、なんか小堀先輩って、すごくモテそうだなあ……。

「あとのことは、このマネージャー用マニュアルに載ってると思うから。分からなかったら、気軽に声をかけてね」

「はい! ありがとうございます、小堀先輩!」

ぺこりと頭を下げると、小堀先輩は練習へと戻っていった。自分の所為で、小堀先輩が練習に参加できなかったのは申し訳ないけれど、多分私の理解力ではマニュアルだけでは分からなかっただろう。すごく助かった。
これから、マネージャーとして大変かもしれないけれど、頑張ろう!
私は一人でえいえいおー、と手を振りかざした。
バスケ部解体新書


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