−…ねぇ、なまえ。
      
空にはね、雲もあれば、雨も雪もある。
   
空の上には、太陽だってあるんだよ。
 
空には、色々あるんだよ。僕たちの恋みたいに。
                 
だから、悩んだら上を向いて、空を見上げてごらん…−


「って言ったの覚えてる?嶺ちゃん」

久しぶりの二人の休日

近くの河原に寝転がりふと、思い出したこと言ってみる

「そんなクサいこと言ったっけ?」

ときょと顔をする嶺ちゃん

ちなみに、彼氏である

この顔はマジで覚えてないな、と思いつつ話を進める

「言ったよ、私そのあと大笑いしてたんだから」

「そうなの!?酷いなぁ、きっと嶺ちゃんは考え抜いて言った言葉なんだよ!!」

「覚えてないのによく言うよ クスクス」

と笑っていると、いきなり

「あ!!」

嶺ちゃんが大声をあげた

「な、なに」

思わず飛び起きてしまった…

「曲、作ろうか」

「は?」

「たまには、自分たちで作ろうよ」

そう、私たちは、作曲家が事務所にいるので

アイドルが曲を作ることは滅多にない

「うーん、曲かぁ」

「何が良いかなぁ」

作ると言っていないのに、ジャンルを決め始める嶺ちゃん

「わかった!!」

「何にするの?」

この流れで演歌とか言ったらマジ殴る

「"ラブソング"にしよっか」

「ぶっ・・・」

嶺ちゃんがラブソングなんて発想が出てくるなんて

「あ、ちょっとそこっ!吹かないの!!」

と、むくれる嶺ちゃん

「ご、ごめんね、拗ねないで?」

「いいよ、なまえだから許す」

「ありがと、どんなのが良い?切ない系?」

「空に聞いてみよー!」

とまた河原に寝転ぶ

そして、そこにそよ風が吹いた



空が奏でるラブソング

(あの雲、嶺ちゃんに似てるね。)
(そうかなぁ?あ、あの雲はなまえに似てる)
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