▼うさぎさん!
「参ったな………」
頭を少し掻きながら周りを見渡す。
眩しい日差しがギラギラと照らすあたり、沖縄なのだろうか。
ワンダバのミスにより、僕だけ何故か何処か知らない場所へ飛ばされたようなんだけど………。
「はあ………ワンダバ早く来ないかなあ」
溜息をつくと、服の裾をくいくいと引っ張られる。
なんだ、と思いながら振り返ると――
「うさぎさん」
小さな女の子がいた。
「え、え?う、うさぎさ…?」
「うさぎさんっ!緑色のうさぎさんっ!」
きゃっきゃ、と喜ぶ小さな女の子。
う、うさぎさん…って、ウサギに似てるってこと?
確かに時々言われるけど………
「うさぎさんっ、私、松風なまえってゆーの!うさぎさんは?」
「僕はフェイ・ルーン、だけど……」
てか、松風、って言った?つまり天馬のお姉さんか妹?
「フェイさんですねっ、フェイさん!私を抱っこしてください!」
「え、あ、うん…」
言われるがままになまえちゃんを抱き上げると、嬉しそうに笑う。
ていうか、これからどうすればいいんだろう……。
ワンダバ、お願いだから早めに帰ってきて!
うさぎさん!
→
back