「んー……なんか……うーん」
「何々、何聞いてんのー?」
「あ、高尾」
私がウォークマンで音楽を聞いていると、ひょいっと横から顔を出した彼に、「今話題のアイドルの曲だよ、」と言って歌詞カードを見せる。
「さっき唸ってたのは何?」
「いやー……なんか、このオッドアイの人と、高尾の声似てるなーって思ってさ、」
そういい、私は片方のイヤホンを高尾の耳に入れて、聞かせてみる。高尾は、ふーん、なんてどうでもいいみたいな風に聞いてるが。
「感じろよ?ゼンブ……」
「!?」
イヤホンをしてない方の耳元で、高尾に囁かれてびくり、と肩が揺れる。
「マネしてみちゃった☆」
えへ、と舌を出す高尾だけど……これは絶対、確信犯だ!
私は赤く染まる頬を見られないように、俯いた。
甘い声
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唄王子の…「かるてっと★ないと」が良すぎて……だが高尾である