好きだよ。

そう君に告げたら、どうなるのかな。驚くかな。喜ぶかな。動揺するかな。顔を真っ赤にするかな。
でも、そんなこと、私には叶わないんだ。喉が、死んでしまったのだから。伝える為の声が、なくなってしまったから。

「……なまえ」

ああ、そんな顔、しないでよ。私は、君にそんな顔をして欲しくて、こうなったんじゃないんだ。君には、夢を叶えて欲しかったから。だから私は、君を庇ったんだ。
ねえ、私は今、幸せなんだよ。大好きな君を守ることができて。大好きな君の夢を、守ることができて。だから、笑って欲しいんだ。

「俺、ぜってー、声優になる。お前の分まで、色んなキモチ、伝えてくるよ。約束する」

そんな約束、しなくていいのに。
でも、差し出された小指を見て、無視するわけにはいかない。私は右手の小指を彼の小指に絡ませると、きゅっと握った。

「ゆびきりげんまん、うそついたーら、針千本のーます」

君はこちらを見て、いつもの明るい笑顔を浮かべた。私もそれにつられて笑う。
君の夢が、叶いますように。
椿くんが、とても素敵な声優になれますように。
そう願いながら、私は彼と絡ませた小指を少しずつ離れさせた。


指切った








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補足
ヒロインは椿と同じ声優養成所に通ってた子。
椿と二人で出掛けてたところ、椿が事故りそうになり、ヒロインが庇って、事故る。
その事故の影響でヒロインは声が出なくなった。
…みたいな感じでした。はい。意味わかんないっすね。深夜のテンションだったもので……。
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