「…………え」

「ああ、なまえ。おはよう」

今朝、起きると部屋に藍ちゃんがいました。
どういうことなの。



「朝ごはんできてるよ。和食派だったよね?」

「え、あ、うん」

「ならよかった。あ、飲み物なにがいい?」

「あ、麦茶で……って! なんでここに藍ちゃんいるの!?」

こぽこぽ、と麦茶を入れながらこちらを見る藍ちゃん。ぱちり。今日初めて目が合った気がする。

「なんでって……今日、なまえの誕生日でしょ?」

「え。知ってた……の?」

当たり前でしょ。ボクを誰だと思っているの。
そう言いながら朝食の準備をする藍ちゃんをぽかーんと見つめる。いや、まあ、私の誕生日を知ってたのはいいよ? でもさ。

「……で、なんで私の部屋に?」

「なんで、って……。博士に『大切な人の誕生日は何をすればいいの』って聞いたら『ずっとそばにいてあげれば?』って言われたから」

博士、あなたは一体何を言っているんですか。
だけど、誕生日の朝から藍ちゃん見れて嬉しいのは事実です。博士グッジョブ。

「とりあえず、朝ごはん冷めるから早く食べて」

「う、うん」

私は大人しく席に着くと、藍ちゃんも真正面に座る。テーブルを見ると、真っ白なご飯にお味噌汁、シャケ。私のいつもの朝ごはんだ。いつの間に調べたんだろ、藍ちゃん……。

「レシピ通り作ったけど、味見はできなかったから、美味しくなかったら言ってね。データに追加しておくから」

「あ、うん。藍ちゃん、朝ごはん作ってくれてありがとね」

「別に。誕生日だし、そのくらいするよ。あ、そうそう、」

藍ちゃんはふわりと私を見て微笑む。

「誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう。」

私はそれを聞いて、自然と笑みがこぼれていた。

来年も、その先も、ずーっと。藍ちゃんと毎日を過ごせますように。



(藍ちゃんって今日オフー?)
(そうだけど)
(よし、じゃあ一緒に観覧車乗りに行こ!)




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鴉誕生日おめでとう('ω')
title by レイラの初恋
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