「ぐぬぬ……」
「んだよ、そんなしかめっ面して」
「だって、火神の背が高すぎるんだもん!」
私の身長はあまり低くない。むしろ平均より少し上くらいなのである。それなのに、火神と並ぶとかなりチビに見えてしまうのだ。身長差はおそらく、20cm以上。
「俺の身長が高いのがだめだっつーのか?」
「だってー…なんかいやなんだもん」
ぶつぶつと文句を言うが、ふーん。と火神は聞き流す。どうでもいいみたいにいうな!こっちにとっちゃー大事なことなのに!
「俺はこのままでもいいけどなー」
「え?」
「だってこれぐらいのサイズの方が抱きやすいだろ?」
にやり、と彼は笑いながらぎゅーっと私を抱きしめる。…って、ここ、廊下!なに普通に抱きしめてるの!恥ずかしいんだけど!!そういうと、見せ付ければいいだろ、なんていう。いじわる。
「これ以上身長伸びんなよーこれがちょうどいいんだから」
「うううううるさいっ、火神のばーかっ」
身長差