「れいちゃん先輩って、なんで帽子かぶってるの?」

「なんでって………ファッションだよー?」

そういうれいちゃん先輩の帽子をじとー……と見つめる。うん、怪しい。ただ単にファッションじゃないでしょ、これは!……と勝手に予想してみる。ハッ……もしかして!

「れいちゃん先輩……正直に言ってください」

「な、なにを…?」

「その帽子!」

ビシィ!と指で帽子をさす。ふっふっふー、私にはわかってしまったのだよ!帽子をかぶる理由が!!

「身長を高く見せるためでしょ!!私にはわかるんですよ!!」

ドヤァ…とした顔をみせると、ぽかんとした顔をしているれいちゃん先輩。と、思ったらくすくすと笑いだした。あれ、間違えた?というか、違ったの?

「まあ僕は確かに身長は少し低いけど……別に気にしてないよ?」

「えぇっ!?ほんとに違うんですか!? 翔ちゃんはそこを気にして帽子をかぶっているというのに……」

最近では翔ちゃんのチャームポイントになりつつあるけれど、当初――というか学園時代、必死になって授業中も帽子をかぶろうと努力していた姿を見ていたら「ああ……やっぱり、身長なのかなあ………」と遠い目をトキヤと共にしたものだ。最終的に、日向先生を泣かし、社長の許可も得たので授業中も被ることができたのだが……あのときの翔ちゃんの顔は複雑そうだった、気がした。

話が反れたが、とりあえず、翔ちゃんはどーしても帽子をかぶって身長をごまかしたいくらい身長を気にしていた。れいちゃん先輩は、ST☆RISHの中で翔ちゃんの次に小さかった音也より身長が低いから、気にしてるかと思った。なんだ、違うんだ。

「僕はそんなことを気にする男じゃないからね!それに……」


「?」

それに?、なんだろう?


「この身長でも充分、なまえちゃんをなでなでできるからねっ」

そう言って無邪気に笑いながらぐしゃぐしゃと頭を撫でるれいちゃん先輩。こ、これ、頭撫でるって言わないと思う!髪形が崩れるしっっ!

でも少しだけ嬉しかったとか、そーいう気持ちは心の奥底にしまっておこうと思う。


帽子と身長と君と
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