「るーちゃん、お誕生日、おめでとう」
「うん……あだなちゃんも、おめでとう」
今日は、2月22日。俗に言う猫の日でもあるが、その前に私とるーちゃんの誕生日。毎年、二人で、お祝いのケーキを食べているのだ。去年は私の部屋で食べたから、今年はるーちゃんのお部屋。テーブルには、ショートケーキやミルフィーユ、ティラミスなど、いろんな種類のケーキが載っている。
「僕、ショートケーキ、食べたいな……」
「じゃあ、私、ミルフィーユ、食べよう、かな」
こぽこぽと紅茶を淹れると、ふわりと良い香りが鼻をくすぐる。さすが、るーちゃん。いい紅茶の葉、持ってる。私は二つのカップにミルクと角砂糖を入れて、くるくるとスプーンでかき混ぜた。
「それじゃあ、」
いただきます、と声を揃えて言い、まずは一口、ミルフィーユを口に含む。ふわりとした柔らかい甘みに、思わず笑みがこぼれる。ふと、るーちゃんの方を見ると、るーちゃんもふわりとした笑顔だった。ショートケーキも、美味しいのかな。
「ね、るーちゃん……。一口、ちょーだい?」
「うん、いいよ……。その代わり、僕にもミルフィーユちょうだい?」
いいよ、と頷くとるーちゃんはショートケーキをフォークで一口分すくい、私の方へと差し出してくる。あーん、と口を開けて、ぱくりと食べる。あ、美味しい。
「はい、るーちゃん、あーん」
「ん……」
るーちゃんが口を開けたので、口の中にフォークを差し出すと、ぱくりと食べる。るーちゃんは、美味しかったのか、またふわりと笑みを浮かべた。
「ね、るーちゃん」
「なあに?」
「来年も、一緒に、誕生日を過ごそうね」
「もちろん、だよ」
(あ、あだなちゃん。ほっぺに、クリームついてる)
(え、ほんとう?)
(ん……とって、あげる)
(ありがとー)
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誕生日ネタです。