「まーちゃん……起きてる?」
「あれ、なまえじゃないか。どうしたの、こんな時間に」
「あのね……、最近ね、なんか寝れないの」
「え、そうなの? 不眠症……?」
「そう、みたい」
「そっか……。とりあえず、入って? ずっと玄関で話してたら、風邪ひいちゃうでしょ?」
「うん……」
「ベッドにでも座ってて。紅茶でも飲む?」
「あ……うん」
「なまえはミルクとお砂糖たっぷりだったよね」
「まーちゃん、よく、覚えてたね」
「ふふ、だってキョーダイ、でしょ? キョーダイの好みくらい、わかってるつもりだよ」
「そ、か」
「……はい、できたよ」
「ありがと……」
「どう? 美味しい?」
「うん……美味しい、よ」
「そっか、よかった。僕、琉生みたいに紅茶淹れるの上手くないからさ」
「そんなこと、ないよ」
「眠くなったら、ここで寝ていいからね」
「ん……、まーちゃん、ありがと」
「どういたしまして」
(……すぅ…すぅ………)
(寝た、かな? おやすみ、なまえ)