「……るーちゃん、持ってきたよ」

「あ………あだなちゃん。ありがと」

お礼の言葉をるーちゃんに言われ、私は「どういたしまして、」と告げた。
今日はるーちゃんがお仕事によく使うものを忘れてしまったので、私が届けにきた。本当は届けるだけで、もう家に帰るつもり、だった。


「えっ、嘘でしょ? あの子、来れないの!?」

「ああ……、どうやら、さっき倒れたらしい」

「どーすんの、今日しか撮影できないのよ!?」

「そう言われてもなあ……」



なんだか、スタッフの人達、騒がしいなあ。何かあったのかな。
ちらり、とスタッフの人達の方を見ると、ぱちり、と女性のスタッフの人と目があった。

「っ! 代役、見つけたわよ!」

「はあ? そんな人どこに……」

何故か女性のスタッフさんがズカズカとこちらの方へ寄ってくる。え、なに、私、何かしたっけ……?

「あなたっ! 今日だけでも、モデルやってみない!?」

「え」

何故か、モデルにお誘いされました。



*****
続きます

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テーマ「人外ファンタジー」
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