「いおちゃーん」
「姉さん。どうしたの?」
「あのね、いおちゃんをモデルに、絵を描きたいな、って思って」
「いいよ。ポーズとかってとった方がいいのかな?」
「んーん。いおちゃん、受験生。だから、お勉強、邪魔できない。気にしないで、自然体でいて、いいよ」
「そっか、わかった」
カリカリカリ......
「……姉さん、此処の問題、分かる?」
「ん……?ここはねー……これは、これ。で、そーすると、ここが、こうなるから……」
「ああ……そうか。ありがとう」
「んーん、だいじょーぶー」
「………」
「………」
「………」
「……あ、いおちゃん」
「ん?」
「今度、スイパラ一緒にいこーよ」
「……そういうのは、琉生兄さんの方がいいんじゃないの?」
「そう……?私は、いおちゃんとも行きたいけど」
「…受験終わったら、行こうか」
「うん」
(ただいまー、ってあれ、祈織さんになまえさん)
(あ、ちぃちゃん……おかえり)
((なんか、この二人が一緒にいるって珍しいなあ……))