「おはようございますー……って、あれ?」
私はいつもより少し早くキッチンへいくと意外にも右京さんはまだ来ていなかった。この時間に朝食の下ごしらえをしていると思っていたのに。
右京さんがいないと今日の献立が分からないので、準備のしようがない。とりあえず、リビングで右京さんを待つことにした、ら。
「すー…すー……」
「(だ、誰だろ、この子!!!)」
見知らぬ女の子がソファで寝ていました。
ふわふわとした髪は、左目に若干かかっていて、透き通ったような色をしている。睫毛が長くて、かなり可愛い子だと分かった。
そこでふと、美和さんの言葉を思い出した。
『うちは男ばっかりだからね〜……女の子がもっと欲しかったのよ!』
もっと、ということは一人くらいいる、ということ、なのだろうか。だとしたら、彼女が、私の姉?、と思ったところで彼女に変化が起きた。
「ん、む………?」
「(わわっ、目覚ましちゃった!?)」
「………だあれ?」
「え、っと、」
首を傾げ、訪ねてくる彼女になんと説明しようか、と思ったら、ガチャリと扉が開く音が聞こえた。
「おや、絵麻さん、おはようございます。今朝は早いですね」
「あ、はい。早く目覚めちゃって……あの、」
「? どうしましたか?」
「彼女は……私の、キョーダイになる人、なんでしょうか………」
「え? ……ああ、なまえじゃないですか。仕事の方はもう終わったのですか?」
「……あ、きょーちゃん。さっき、終わった」
「そうですか。…絵麻さん、彼女は琉生の双子の妹のなまえです」
「えっ、琉生さんの!」
私が驚きの声を上げると、またなまえさんが首をかしげる。「きょーちゃん、だあれ、この子」となまえさんに指でさされると、「行儀が悪いからやめなさい、」と右京さんにたしなめられていた。
「彼女が私たちの妹になる絵麻さんですよ」
「はじめまして、絵麻です!」
「私たちの…妹……。じゃあ、あなたがちぃちゃん……」
えっ、と思わず声がこぼれる。ちぃ、ってジュリしか呼ばないのに。あ、そういえば琉生さんも呼んでいたような…。
「これから、よろしくね」
「はっ、はい!」
とりあえず、なんだか仲良くできそうな方で、良かったなあ。と一安心した。
(なまえ、まだ眠そうですけど、朝食はどうしますか?)
(んー……食べる)
(分かりました)