「外真っ暗…」 もうすぐ受験の為 補習やらなんやらですっかり遅くなってしまった。 部活もとっくに終わってる時間。冬の冷たい風のせいで冷たくなった手をポケットに突っ込みながら帰り道をひたすら歩く。 「あ、」 ちょうどコンビニの前を通りかかった時に見覚えのある黄色が見えた。 「あれ?なまえっちじゃないッスか!」 いつもとは違って私服で手にはおでん。しかも入れ物大きいし なんか似合わない。 「黄瀬は仕事帰り?おでんよこせ」 確か今日は学校には来ていなかった。でもなんか自分は大っ嫌いな勉強をヒーヒー言いながら頑張ってたというのに、さっきまで可愛い女の子達と余裕で写真を撮られてたと思うとなんかムカついたので おでんのはんぺんを食べてやった。 「ああ!!はんぺんっ!!」 ひどいッスよ〜 とか言われたけど知るかっ!! 温かいおでんを食べた事によって体が温まった。 「うん。おいしかった!じゃ」 「って帰るんスか!?」 帰ろうと再び足を踏み出そうとしたら腕を掴まれた。 「なんなのだよ。あ、はんぺん代払えとかはなしね」 お金ないし 「いや違くて…てかその言い方は…」 いいじゃないか、緑間くんの言い方。 私 緑間くんの事けっこう好きだし 「なまえっち緑間っちの事好きなんスか!?」 「は?」 「なんで緑間っちなんスか!!どこがっ!!どこがいいんスか!?なまえっち!!」 黄瀬に肩を握られ 前後ろと揺すぶられる。なんかこのまま行くと酔いそーな。 てゆーか 「黄瀬って緑間くんの事嫌いなの?」 ばっ!!と私の肩から手を離すので前に倒れそうになるのを必死に耐えた。 「嫌いじゃないんスけど…ちょっと…」 「じゃあ、私の事好き?」 「え?」 冗談半分で言ってみたのはいいものの顔を真っ赤にして固まってしまった黄瀬を見て私はどう反応すればいいんでしょうか。 「えっと……黄瀬?」 「……好きッス」 「は?」 「1年の時からずっと好きッス」 黄瀬からはっしられた言葉が頭の中で何回もリピートされていく。 「…なまえっちは?」 ぎゅ と強くもなく弱くもない力で抱きしめられた。 「えっと…」 「月が綺麗ですね」 (は?) (月なんてでてないッスけど…) (っ!ググれカス!!)ダッ (あっ!なまえっち!!) back |