*5年後くらいで同棲 クーラーと扇風機で涼しくしたリビングに1人、冷蔵庫の中を見ながらため息を吐く。壁にかかっている時計を見ると、もうすぐ昼。冷蔵庫の中は買い出しに行っていないからか空で、同居人はベッドから起き上がってこない。久々の休みだし別に何時間寝ようと本人の勝手だが、放っておかれる俺の気持ちも少しは考えてほしい。もう一度ため息を吐きながら冷蔵庫を閉めると、リビングと廊下を繋ぐドアが開く。 「あれ、南沢さん、早いっすね」 「お前が遅いんだろ、もう昼」 「えー、嘘...昼飯どうします」 「今から買い出し、お前も」 眠そうに目をこすりながら服を漁る倉間の髪を後ろから梳かすと、あーすいません、と眠そうな声。ゆっくりと身支度を整えてから未だ眠そうな倉間を引きずって玄関へと連れていく。靴を履いている倉間の後ろからひっくり返っているパーカーのフードを直してやると、今度は礼を言われる。先に外に出た倉間が日差しに目を瞑っている後ろで俺も靴を履いて、倉間を外に押し出しながら外に出る。 「蒸し暑い」 「だな。まあ涼しい方だろ」 「早くスーパー行きましょうよ」 「お前が進めよ」 ほら、と背中を押して倉間を動かすと、無言で手を差し出してくる。中学の頃は絶対に自分から手を繋ごうとしなかったくせに、随分甘えるようになったものだ。繋いでやると、倉間は嬉しそうにニコニコ笑っている。 「南沢さん」 「ん?」 「昼飯そうめんがいい。あと夜はオムライス」 「はいはい、作ってやるよ」 我が儘すら愛しい back |