鬼ごっこ | ナノ


鬼ごっこ



※not臨静 臨+静








「あっはははは!!!ばっかじゃないのー!?」

「うるせぇさっさと死ね!!!」

けらけらと笑いながら逃げる臨也を追いかけ静雄。池袋の日常になってしまったこの追いかけっこ。というか鬼ごっこのようだ。生きるか死ぬかの鬼ごっこ。これに飽きることはお互いにないのだろう。

「そっちこそさっさと死んでくれないか、なッ!!」

突然立ち止まり静雄の方向に向かって思い切りナイフを突き出す。

「刃物にはもう耐性ついてんだよ」

手前ぇのおかげでな。皮肉って言い静雄はその手を簡単に掴む。刃が当たらない角度で引き寄せ思い切り拳を臨也の腹に叩き込む。

「ぅぐ…ッ…はっ…手加減…ないよねぇ…」
臨也は痛みに顔を歪めながらも口許には弧を描き続けていた。器用なことだ、二つの表情を同時になんて。

「今更手加減なんざしねぇ」

吐き捨てるように言いサングラスを取り出す。もう疲れた。背を向け帰ろうとすれば後ろから臨也の笑い声が聞こえた。

「あははっ!!ふ、あっははははッ!!!手加減?君が毎回俺との喧嘩で本気を出していれば俺は何回死んでるんだろうねぇ?食い違いもいいとこだよ、シズちゃん」

「…うるせぇなぁ…ッ!!!」

もう我慢できない。ウザすぎる。殺す。殺してやる。そんなに俺が手加減してるってんなら今度こそ殺してやる。近くにあった自販機を力ずくで持ち上げ臨也へと思い切り投げつける。

「っと、さっすが単細胞…まぁこれぐらいじゃ死なないさ。ほら、殺してみなよ」

鬼さんこちら、ここまでおいで。
臨也はそう言い走り出す。静雄も誘われるように走り出しいつもの鬼ごっこが始まる。

「死ねえええええええ!!!!」

終わらないゲーム。終わらせるのはどっちだろう。月とすっぽん、兎と烏。鬼になるのはさぁどちら。












衝動的に殺伐が書きたくなった
短いのは気にしたらいけないね

(2011/03/13)






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