…アンケートなんて馬鹿馬鹿しい。
全クラスで文集を作るらしく、文だけじゃ面白くないと意見がで話し合った結果クラスでいろんなランキングを作ろう、となった。
内容は結構踏み込んでいるのもある。
誰が好きだとか、彼氏、彼女がいるかどうか、早く結婚しそう、誰が可愛い、誰がかっこいい。などいろいろな項目がある。
それを自分のクラスで集計したらいくら匿名でもその担当者だけが全て見ることができて先に結果が分かってしまうため他のクラスの集計をするらしい。
そんなめんどくさい事したくなかったがくじを引いて決めたら担当になってしまった。
そして集計するクラスが、臨也のクラス。
臨也のアンケートを見ることになんて。
最悪だ。

「帰りてぇ…」

腕を上げぐっと伸びる。
結構の間書いていたので背中が痛い。
寒いし。晴れてるのに寒いとかどういう事だ。そう天気に文句を思いながらアンケート用紙を捲る。
……はぁ。筆跡で分かってしまう自分が恨めしい。なるべく気にしないように臨也のアンケートを見ていく。でもやっぱり気になるのはしょうがないだろう。

「へぇ…臨也でも居るんだな」

好きな奴。
毎回会う度会う度隣にいる女が変わっている臨也にもそんな人がいるなんて思わなかった。
すると扉が開き黒い影が顔を覗かせる。

「あっれぇ?シズちゃんだ。もしかして集計かい?」

「だったらなんだ。消えろ」

なんでこんなタイミングに来るんだろう。
見計らっているようで余計にイラつく。

「俺も集計なんだよねぇ。君のクラスの」

ケタケタ笑いながら静雄の近くまで歩いてくる。

「君は俺のクラスだっけか」

今、誰のアンケートを見ていたかなんてバレたら絶対笑われる。とっさに腕で隠し臨也の目に写らないようにする。

「なんで隠しちゃうの?」

自分の前の席に座り頬杖をつく。
暫く沈黙して睨みあい

「えい」

「あ」

アンケート用紙を腕の間から引き抜かれる。やばい。

「へー…俺の見てたんだ」

厭らしい笑みを浮かべ用紙をヒラヒラとさせる。

「集計なんだからしょうがないだろ」

吐き捨てるように呟くとまたケタケタと笑い言い訳しないでいいよと言う。あぁうざい。

「ここ。俺の好きな人はシズちゃんだよ」

「……はぁ?」

あまりにいきなりのため臨也の顔を見る。
口にはあの厭らしい笑みが貼り付いているが目は本気だ。

「うるせぇ黙れ」

「嘘じゃない、本当だよ。俺は君が好き」

視線が本気だから目が反らせない。
顔に熱が集まるのがわかる。

「………死ね」

小さく呟きこの赤い顔を見られたくないから教室を出た。
集計終わってないんだけど。
でも今は集計よりあの男の居る教室に戻るのが嫌だった。





続きます


2011/02/10

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