※若干ネタ






「ば、馬鹿言うな、別に怖くなんかねぇし!!!」

「強がっちゃってさぁほんとは怖いんでしょー?」

「はあぁ?手前ぇこそ怖いんじゃねぇのか、あ゛ぁ?引きつってんぞ?」

「う、煩い!!!引きつってなんか…!!」

「「うぎゃあ゛ぁあああ!!!!」」

…正直言ってすごく煩い。
仕事の邪魔、早くどこへでも行ってほしい。
波江はそう思った。言おうと思った。…やっぱり言えなかった。仮にも自分の雇い主に向かって雇い主自身の家から出ていけなどと言うのはどうかと思ったからだ。


雇い主―臨也の事だから挑発でもしたのだろう。彼なら安い挑発でも簡単に乗るはずだ、ましてや臨也からの挑発であれば乗ってこないはずがない。
まぁ何らかの方法で静雄を連れてきて、いきなりパソコンでホラー動画的な物を見始めた。挑発の内容がそんなのの話だったのだろう。
波江的には臨也の弱点が分かったのでいいとしようと思ったのだが、とにかく煩い。
なんなのあいつら。ここが誰の家だと思ってるのよ。……臨也の家だけれども私の職場でもあるんだから。

「いい加減静かにしなさい…!」

「だって波江っ、ほら、ぅ…!ん、ん!!」

「あぁ遂に人間の言葉も分からなくなったのね、可哀想に」

何て言ったらいいのか分からないのか変な声を上げながらパソコンの画面を必死に指差す。
あの眉目秀麗、自称素敵で無敵な情報屋さんがホラー動画でこのザマだ。信者が見たら終わりだぞ。

「わああああぁあっ!!」

「痛い痛い痛い痛い!!!!シズちゃん痛い!!!折れちゃうよっ!!!!」

彼は元から純粋だからいい。
子供の様に可愛らしく絶叫しながら臨也の腕を抱き締めていた。
やれ、静雄。私の不満の分も臨也の腕をへし折れ。複雑骨折で。

「わ、う、悪い…」

「良いけどさ、抱き着くなら加減してよね…」

「…努力する」

「なんかシズちゃんが素直だ」

「……駄目なのか」

「駄目とは言ってないじゃない」

「…そうか。…じゃあ今日ぐらい仲良くしても良いよな」

「…たまにはね」

会話筒抜けなの分かってるのかしら。
丸聞こえなのよ。
ていうか2人とも少しぐらい素直になったらどうなの、あんなのバレバレだわ。

なんなのよ、貴方達本当は仲良いじゃない。
…あぁ全く。そうね貴方達の場合仲良くじゃなくてほんとに惚けね。どさくさに紛れてぴったりくっついて赤くなってるし。そんなんしたって隠れて恋人繋ぎしてるのは見え見えなのよ。
……はぁ…目の前でキスなんてしないでほしいんだけど。





波江さんって何ですか
無理矢理今回は波江視点で書いてみました

2009/01/29


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