「ただいまー、臨也!」

楽しそうに笑んでソファに座る臨也にばっと抱きついてくる。前はいつもツンツンしてデレてなんていなかった静雄が別人のようにデレデレだ。それは多分臨也が喋らないからかもしれない。彼は恥ずかしがりだから。数日前、喉を痛め掠れ声しか出なくなりあまりしゃべれない臨也は動きで気持ちを表す。静雄が呼びかけるとこくっと横に首を曲げ何?と答えた。

「あのなあのなっ今日なっトムさんとペットショップの前通ったら真っ黒い猫が居てなっ」

明るく楽しそうに話す静雄は本当に可愛らしくて愛しい。このときばかりは喋れないのが辛い。喋れれば抱き締めて大好き愛してると何度でも言うのに。だからそのかわりに臨也も優しく笑んでこくんと相づちを打つ。

「臨也に似ててすっげぇ可愛かったぞ!!」

満面の笑みでぎゅうぎゅうと抱き着いてくる。あぁもうなんでこんな可愛いんだろう。

「っ」

こっちからもぎゅうぎゅうと抱き締め返してやる。静雄はそれに満足しているらしくふふふと笑いながら肩口に顔を埋める。

「…シズちゃん」

無理やり声を出すと静雄はがばっと顔をあげて声出すな馬鹿と叱ってくれる。その優しい彼の唇に自分の唇を重ねる。

「ふ……ぅうん……いざ……っ」

甘い声で鳴く静雄もいいがやっぱり笑いかけてくるその声が好きだ。声が少ししか出ないのは案外というかかなり不便らしい。耳に口をよせてまた声を出す。

「…大好き…愛してるよ、シズちゃん」

「……俺も…す、好きだぞ…」

「…愛してるって言って…?」

「いっ臨也っ……愛、してる…っ…」

真っ赤になりながら頑張って言ってくれる静雄はやっぱり可愛くてもう一度キスして抱き締め直す。

……この際結婚しようかな。


(じゃ…げほっ)
(臨也っ…これからはもう臨也が風邪引かないように俺が面倒みるからっ)
(……)
(臨也?)
(無自覚プロポーズと受け取っていいんですか神様…!!)






人格崩壊!
静雄誰だ


2011/01/04


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