「どっか出掛けない?」

折角休みだしまだ朝早いし。
…そんなん言われても。
寝起きの頭でもそう思った。
今はほんとに朝早い。だって今起きたばっかりで朝飯も食べていない。

「……?」

そのせいでまだ頭がぼーっとする。やっぱり寝ぼけているらしい。
返事をしないでいると臨也は苦笑しながらまた言う。

「別に家でいいならいいけどさ、いいなら出掛けてみないかな、って」

あぁ。出掛けるのか。でも外では一応まだ敵同士で。これをいろんな人に見られたら都合が悪いんじゃないか、とか思う。

「いざやは…いろんな人に見られても、平気か…?」

聞くと臨也はシズちゃんとは出掛けないから出掛けたいし、それで知れちゃったらそれはそれでいい。らしい。
結構恥ずかしいんだがな。
臨也が言うなら、うん。

「どうする?」

「…俺は…見られるの恥ずかしい、から」

「うん。だから行くなら俺達のこと知らないとこにしよう」

俺のことを考えていてくれてるんだ。そう思うと嬉しくて頬が緩んだ。

「…いいぞ、行っても」

「何笑ってんのー?」

頭をぐしぐしと掻き回される。
されるがままにしておく。
どうせ臨也だからぐしゃぐしゃにしたらまた指で鋤いて直してくれるはずだ。

「どこ行く?」

「シズちゃんの好きなとこでいいよ、海とか山…は今寒いけど行きたいなら。水族館とか遊園地、動物園とかなんでも」

言った通り指で鋤かれながら聞かれる。
どうせならいいとこがいいな。
臨也と行くならどこでもいいとこに決まってるけど。
遊園地も動物園もいいな。でもあえて水族館とか。でもそしたら海もいいかも。山は疲れるからやだなぁ。でも疲れるくらいがいいのか?だったら山でもいいかな。
結構本気で悩む。

「ぅう……」

思わず唸る。
折角だし記憶に残るようなもの。

「そんな悩まなくていいよ、今日しかないわけじゃない。明日だって明明後日だって行かないだけで行けるんだからさ」

「……うん…じゃあ…」

海がいい。
夏だと海水浴場になってるからゆっくり風景も見れない。
それに俺と臨也で行ったら俺はともかく、臨也が持ってかれる。そんなのはやだ。
だからちょうどいい今で。

「海?」

この時期寒くない?まぁ、思った通りの返答だな。でもやっぱり海がいい。

「海」

「じゃあゆっくりでもいいか。二度寝したかったらいいよ、寝ても」

鋤き終わった指で頭を撫でられる。
臨也の指は寝起きで暖かくなっていてよけいに眠気が襲う。

「じゃあねる。……起こせよ」

「はいはい。おやすみ」

眠気に誘われるままに瞼を閉じるとすぐに意識は途切れた。






なぜか続きましたどうしよう
全体的にぐだぐだだわこれ
(2011/02/06)
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