甘く2



まぁそれから暫くして。
結局今――昼まで臨也はぐっすりだった訳で。
寝顔は見ていて微笑ましいと言うか安らぐと言うか。
なんとも可愛らしく自然と頬が緩んだ。
お陰様で二度寝は出来なかったが。

そんなことをちまちま考えながら昼食を作っていると匂いに釣られたのかもそもそ起き出した。
あ、可愛い。

「ん………ぅぐう…」

小さく声を上げながらぐぐっと伸びをして、周りを見渡す。
俺の姿を見つけるなり寝起きの覚束ない
足取りでこっちに歩いてくる。
作業中断。一旦手を洗って臨也の方を向く。

「はよ。…どっちかってっとこんちわか。
まぁいい、どうした?」

挨拶混じりにそう問いかけると。

「…………ん」

きゅっと服を軽く掴んで身体を少し寄せただけのような。
そんな具合で抱き、付いたのかこれ。
でもこんな弱々しかったら抱き寄せずにはいられねぇだろ。

「…どうした?なんか言いたいことあるか?」

抱き寄せると華奢で小さい臨也の身体は寝たお陰でちゃんと暖まっていたのがわかった。

「………お風呂」

小さく呟く。
風呂ってもなぁ…

「いいけど…服はどうするんだよ。また俺のでいいのか?」

こくっと頷いてぎゅうと顔を埋める。
なんか…動物みてぇだな。

「分かった、風呂わかるか?」

「一応わかる」

それだけ言って頭を擦り付けてくる。
可愛い…お前そんな可愛かったっけ。

「じゃあ取って来るから先行ってろ」

腕をゆっくりほどいて先に行ってろと背を軽く押す。
するとくるっと振り返り焦ったように戻って来て背中にまたぎゅうっと抱きついてきた。

「……臨也、どうしたんだよ?」

頭をまたぽんぽん撫でてやる。
言うのを迷うようにゆらゆらと視線を泳がす。
なるべく優しい声音で問いかける。

「どうした?」

「一人じゃやだ。シズちゃんと一緒にいる」

「……お前なぁ…そんなこと言ってっと襲うぞ。俺の理性切ろうとすんな。」

まじで襲うぞ。
誤魔化すように頭をまたぐっしゃぐしゃに撫で額に軽く口付ける。
これぐらいさせろ。
かなり我慢してんだから。

「ん…だって…でも誘ってるわけじゃないもん…」

「俺にはそう聞こえんだよ馬鹿。情報屋とか物騒な仕事してやがんだから人の気持ちくれぇ汲みやがれ」

「ひどいなぁ、情報屋だって万能じゃないんだから」

クスクス笑う。
久々だな。こうやって喧嘩なしで話すの。

「そうだけどな。まぁ…自分が思ってるよりお前は可愛いし美人なんだからあんまそういう可愛いことすんなっての」

「……煩い」

可愛いとか美人とか言われたのが嬉しいのか顔を赤くしながらまた可愛いく悪態をつく。
あぁもう。可愛くてしょうがない。
服も適当に取って風呂場に向かう。
勿論臨也の手を引いてだが。

「一緒に入んない?」

服を脱ぎ始めた臨也が言う。

「……誘ってんのか」

「シズちゃんのえっち」

「うるせぇ」

「ねぇ…はいろー?」

「………わかったけど…誘うなよ」

だめだなぁ。臨也にはどうしても弱い。

「っふふふ、大丈夫」

………
ぜってぇ大丈夫じゃねぇよなぁ。






こんな調子で大丈夫なのか
てかどんだけ可愛い可愛い言わせてんだ


2011/02/01

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