天京→きみにごめんね。 | ナノ





「剣城!一緒に帰ろ〜」


無邪気な笑顔で話しかけてくる松風。そう言った松風の後ろをゆっくりついて行く。きっと松風の裏の黒い笑顔を知っているのは俺だけだ。いつからこうなったかもわからない。松風の気が済むまで俺は犯される。ただそれだけの話。


「ねえ、剣城今日も俺の家来てよ」

「…ああ」

「じゃあ決まりだね」


なんで反論しないのか。したらどうなるか知っているからだ。もし反論した場合俺は学校に行けないほどボロボロの身体になる。それをわかっているから松風の言うことを無償できくのだ。辛いなんて思わない。俺はそんな松風も好きだからだ。そんなことを思っていると松風の家についてしまった。今から始まる悪夢がいつもより軽いといいななんて思いながら部屋に入っていく。入るなりベッドに押し倒され松風の顔が俺の顔を覆った。乱暴に唇を奪う。


「んっまつかぜっ」


唇が離れると銀の糸が伝う。それごと自分の唇を腕で拭いながら松風を見た。俺だけに見せる黒い笑顔でニコニコ笑っていた。今日はあんまり機嫌がよくないらしい。何度となく行為をしてきた上での反射条件だ。そんなこともわかってしまう。機嫌が悪いので行為に至るのも早い。もう俺の身体を弄り始めているのだ。松風は俺の弱いとこをなんでも知っている。機嫌が悪い松風は意地悪くそこばかり触るのだ。


「やめっまつかぜっそこやああ」

「ここが好きなのは知ってるよ剣城の良いところばっかり今日は触ってあげるから」


なんて黒い笑顔で笑うのか。俺の顔からは笑顔が消えていく。当たり前だ。いつもサッカーの練習をしているときには決して見せない俺だけに見せる顔。俺のことが嫌いなのは十分わかっている。上から下に松風の手が降りてくる、それがわかる為いろいろなところに力を入れてしまう。そうしないとなんだか大変なことになってしまいそうな気がしたからだ。


「剣城力抜いて、優しくするから」


その言葉で俺は力を抜く。松風を信用して力を抜く訳ではない。そうしないと松風の機嫌が余計に悪くなり酷く酷く犯される。すると急に松風の指が中に入って弄り始める。この感覚に慣れるまでとても時間が掛かった。最初は気持ち悪くてどうしようもない悪寒がしていたが最近は慣れてきたかなんだか気持ち良いと思えてきた。


「あんんまつっかぜえああひあん」

「今日は剣城たくさん声でるね、もっと激しくしてほしいんだね」


そう言って松風は指を増やし、動きを早くし始めた。別にそうして欲しかった訳ではないが、そうされることにより脳天が痺れるほど気持ちいい。もう松風のモノがほしい。なんて言えないが頭の中ではそれがいっぱいだ。


「あんんあっはあひあまっかぜえんあ」

「なに?もしかして俺のがほしいの?剣城ってば淫乱なんだから」


何を言われてもいい。淫乱でもなんでもいいから早くほしい。そう思った瞬間松風のモノが勢いよく入ったり出たりを繰り返し始めた。松風も我慢できなかったらしい。挿入されたばかりなのに何故かもうイきそうになる。ふと正気に戻りいろいろ考えてしまう。いつからこんなことになったのか。俺はただ仲良く笑えていたあの時の松風が好きだった。そう俺は松風が好きだった。が今はこんなことになり忘れかけていたのだった。自分の気持ちを思い出すと涙がポロポロ出てくる。涙なんて見せたくなかったが初めて松風の前で泣いてしまった。


「剣城?なんで泣くの?」

「おれは、おっまえが…」


ひっくひっく言いながら言葉を詰まらせ言う剣城を思わず抱きしめた。泣くほど嫌だったのか。そう思うとやるせなくなる。パッと抱きしめていた手を離して後ろを向きながらいった。


「剣城ごめん。つらい思いさせて。もういいよ、剣城帰りなよ」

「えっ…」


松風に勘違いされてしまった。スタスタその場を去っていく。どうすればいいかわからない。とにかく追い掛けて気持ちを伝えなければいけない。それ以外考えられない。無意識のうちに松風を追いかけていた。


「待てよ!松風っ」

「んっ?なんで戻ってくるの!せっかく逃がしてあげたんだよ!?」

「松風…勘違いだ。俺はお前が好きなんだ…。」

「えっ、」


そう言って松風が振り返る前に強く強く抱きしめた。


「馬鹿だね。剣城…」

「泣くな…馬鹿で結構だ」


泣きながら松風は身を寄せてきた。涙に塗れた顔を服で拭いて優しいキスをした。


「ごめんね、剣城。だいすきだったんだ、本当は俺も。」

「ああ、知ってる。だから俺もお前が好きだったんだ。」







______________


なんとかハッピーエンド
結局初めから天馬は京ちゃんが
好きというツンデレぱーたん!



最後まで読んでくださった方
ありがとうございます!!!


2011.12.10.




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -