マサ蘭→霧野先輩の特別にはどう頑張ったらなれますか? | ナノ
今日は特別な日だ。何の日かなんて聞く馬鹿な奴はいない筈だ。なんて言ったって今日は霧野先輩の誕生日。この日をずっと心待ちにしてきたのだ。
「霧野せんぱーい、今日このあと空いてますか?」
さり気なく誘ってみた。霧野先輩の特別な日に立ち合いたい。そんな事ばかりをを考えていた。
「あー、神童も居ても良いなら一応空いてるぞ」
「ああ、そうっすかあー」
どうしたらいいか解らない。神童がいるなんて、なんとも邪魔くさいが仕方ない。それでも一緒にいたい気持ちはある。
「大丈夫ですよ。それじゃああとでお邪魔します」
「わかった。後でな!」
内心笑顔など作れるわけがなかったけど頑張って笑顔を作った。そんな事より、どうやって霧野先輩に気持ちを伝えたら良いのか。約束の時間が刻々と迫って来ている。それなのになにも思いつかない。
一方では先に神童と霧野は集まって喋っていた。楽しそうにパーティーの準備をしている最中だ。
「そういえば、後で狩屋も来るみたいだぞ」
「そうなのか。なら三人分用意しないといけないな」
ほんわかムードの一方とは違い呻き声をあげて狩屋は悩んでいた。まだ告白の言葉を考えていない。どうしようかアタフタ考えてみたがやはり浮かばない。そろそろ時間がと、思い時計を見ると家を出ようとしていた時間をすっかり通り過ぎていた。
「うわああああああ!遅刻するっ」
なんで今日はこんなにいい日なのに運勢は最悪なんだ。今にも泣き出しそうになる。けれどもう家に着くから泣いている場合でもない。
ピンポーンっ
「あっ狩屋か?中はいれよ」
「お邪魔します」
長い廊下を歩いていけば何やらたくさん用意されていた。そこには神童ももちろんいた。
「じゃあみんなでパーティーするか」
「誕生日おめでとう霧野」
と神童が言った。なんでこいつが話し進めてんだよ。と苛立ったが、笑顔を保つ。すると神童がプレゼントを渡していた。
「うわあ、神童ありがとな」
「全然いい。これからもよろしくな」
なんかいい雰囲気。俺がいない方のがいいのかな。なんで俺此処にいるのかな?なんて考えたら、涙がポタポタ出てきてしまった。必死で出てきた涙を隠すがとめどなく溢れてくる。
「狩屋?どうした」
「なんでもないです…よ」
無理に笑顔を作ろうとしても涙がそれを邪魔する。霧野先輩は自分の誕生日だと言うのに俺に気を使っている。なんだか自分がどうしようもない最低なやつに思えてきた。すると霧野先輩が、
「すまないが、神童少しだけ席を外してくれないか?」
と言った。これは告白するしかないタイミングだと思った。この隙に言いたい言葉を全て考えた。
「ああわかった。」
と、神童は返事をして部屋の外いってしまった。そしたら霧野先輩が顔を覗き込んできた。
「何かあったか?狩屋」
「いきなりすいません、理由はあんまり無いんですけどね」
それでも霧野先輩は心配した顔をしている。やっぱりちゃんと伝えないきゃいけないな。自分には正直にならなきゃ意味がない。
「俺は、霧野先輩が好きです。だから神童先輩と霧野先輩が仲良く話していて、それを見ていたら自分なんかいない方が楽しいのかなって思えてきて…」
「そうなのか…」
霧野先輩はキュッと抱き締めて頭をなでなでしてくれた。霧野先輩の胸に顔をうずくめて幸せな気分だ。
「まああの、その俺も狩屋のこと好きだったから一件落着なのか…な?」
霧野先輩の突然の一言でかなり驚愕した。まさか自分を好きでいてくれたなんて思いもしなかった。今日はいつもの誕生日よりも一段と大切な誕生日になった。
そして霧野先輩の特別になるには素直になることが一番でした。
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狩屋くんが泣くとか…書いてて
ひとりで萌えてましたよ、はい
たまにはエロなしの甘々ほんわか
な感じもいいですね(笑)
最後まで読んでくださった方
ありがとうございました!!
2011.12.03