キス!キス!恋してる | ナノ





あいつの笑顔が太陽みたいに光ってた
何度も何度も冗談じゃない!目を擦っ
たけどやっぱり冗談なんかじゃない。
あいつに惹かれていたのは確かだった
目が合うと時が止まった気がした…
ねえ?もっと俺だけを見て?

「倉間先輩?ぼーっとしてます…ね」
覗きこむお前の顔。ほらまた笑顔零
して。吸い込まれちゃいそうな
綺麗な瞳が心配そうに見つめていた
「あ…ああ、大丈夫だ」
「そうですか?なら良かった!」

走り去るお前の笑顔でまた胸が締め
付けられたように痛い。不意の笑顔
にドキドキさせられてばっかり。
いつの間にかこんなに好きになって
いたなんて…な。触れて、抱き締めて
それから?それからあいつに…
顔が自然に笑顔に変わる。馬鹿…
ただの妄想なのにな。そんなこと考え
ていた罰が当たったのか顔面にボール
がぶつかり意識が飛んでしたった。


「せ…ぱい?…か?」
「んん?いってえ〜」
「あっ!先輩気がつきました?」
「ん?ああ、大丈夫だ」
「ごめんなさい。俺…」
「いいよ、別に。俺がわりーし」
「んな泣きそうな顔すんな!」
「だって…」

ああ、なんて可愛いんだろうな。
半泣き状態の天馬の顔を抱きしめた
胸のドキドキ聞こえないといいな。

「倉間先輩、いい匂い」
「ばっか。嗅ぐなよ!」
「へへ」

ヘラヘラ笑いやがって。無駄にドキ
ドキしちまうだろ。はあ、まだ笑っ
てる。頬を撫でるとビクッと肩が上
がって少しだけ頬が紅潮した。そん
なの反則だろ?もう我慢できない。
やっぱりお前が…好きなんだ。

「倉間先輩?」

天馬を引き寄せて小さなキスをした
胸が高鳴って心臓が飛び出しそうだ
天馬、お前は今どんな気持ちなんだ

「…天馬?」
「えええ?きききききす?」
「混乱しすぎだろっ」
「だってキスは好きな人としか
しちゃいけないんですよ?」
「だから…だから、そういうこと」
「え、どういう…」
「ああ!もう!初めてなんだよ!
わかんねーの、俺にも!」
「倉間先輩…」
「まあ、そういうことなんだ…」
「は、はい。」

沈黙。俺の心臓の音だけが部屋に
響く。なんなんだ、この空気は…
天馬の顔も見れないくらい緊張し
て馬鹿みたいだな。

「倉間先輩?」
「んーなんだよ?」
「こっち見てくださいよ。」
「あ、ああ」

天馬と目が合った瞬間…ちゅっ
唇が可愛い音を立てた。目の前には
天馬の瞳?これはなんだ?状況が
読めない。

「俺も、好きってこと!」

顔を真っ赤にしてそっぽを向いて言
った天馬。知らなかった。時が止ま
った気がした。後ろを向いている天
馬を抱き締めて頬にキスをした。
たくさんたくさん触れていたい。
天馬が大好きだってもっとわかって
欲しい。好きだ。好きだ。大好きだ
それに応えるように天馬もキスを
受け入れてくれた。幸せってこうい
う事なのかな?今日したキスの分だけ
天馬に恋してる。つまりは天馬が
大好きってことだ!





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最後まで読んでくださった方
ありがとうございました。


2012.08.12