三角関係V@倉南、天倉 | ナノ




天馬side


本当に邪魔なんだよね、あいつ。
どんな作戦練れば落ちてくれるの
かな?どんな手を使っても、先輩
が欲しいんです。クールで冷静な
南沢先輩が…ずっとずっと前から
好きだったのに。倉間先輩も南沢
先輩を好きだと築いたあの日から
もう作戦は始まっていた。例え誰
であっても南沢先輩は譲るつもり
はない。

「お前なに言って…倉間が好き
なんじゃないのか?」
「あれは作戦です。邪魔なんですよ
倉間先輩」
「えっちょっ松風…」
「天馬って呼んで下さい!」
「わかったから!近い、近いぞ」
「いいじゃないですか、ケチ」

こんな風に素直になるのに南沢先輩
は弱いんだな。メモしておかないと
意外と押しにも弱いことも。どんな
先輩を見ても全部可愛いと思って
しまう俺はなんなんだろうか。南沢
先輩が好きすぎて困ってしまう。
それ故に倉間先輩にも誰にも触られ
たくはない。

「ても南沢先輩は倉間先輩が…」
涙目と上目使いで南沢先輩を
見つめた。
「泣くなよな?」
「じゃあ俺の事見てください」
「わかったよ、そうするから」
ふふ、作戦大成功!涙目はやっぱり
効果抜群だったかな。これで南沢
先輩も少しは倉間先輩を忘れたはず

「南沢先輩、まだ一緒にいたい…」
「んーわかった。ちょっとだけだぞ」
「ありがとうございます!」
そう言ってぎゅっと抱きついた。
先輩の心臓がドキドキが言っている
のがよくわかる。もうすぐで俺の物
になってくれるかな?

「天馬はさ、俺なんかのどこが
いいわけ?」
んー…とわざと考えるフリをする
ちょっとは焦らした方がいいよね
「えっと、全部!」
そう言うと南沢先輩の白い頬が
赤色に染まっていくのがわかった

「そんなに…俺が好き?」
「はい、大好きです」
ちょっとだけ困った顔をした先輩
あれ?作戦失敗したかな?

「ごめんな、それでも…」
「それでも?」
「倉間が好きなんだ」
「…」

そう言って南沢先輩は帰って
しまった。本当倉間先輩が邪魔。
どうにかして消さなきゃ南沢先輩
取られちゃうよ。絶対やだ。そん
なの、早く作戦練らなきゃな。

―次の日

俺はいつもより早く家を出た。
倉間先輩が一番に部室に居る事
を知っているから。誰もこない
うちにね…次の作戦開始しなきゃ

「倉間先輩、おはようございます」
「ああ、天馬今日早いな」
「はい用事があるので!」
「そうか…」

話が終わると倉間先輩はもとあった
場所に顔を戻した。今の隙しかない
倉間先輩に少しずつ近づいていく。
手に持つギラリと光るナイフを振り
上げ、思い切り突き刺した。倉間
先輩は音もなく部室の床に崩れた。
もう…息はしていないみたいだ。
これで邪魔者はいなくなった。南沢
先輩は俺を見てくれるよね?

「松風!お前っ…」
その一部始終を一番見られたくない
南沢先輩に見られていたらしい。
「南沢先輩…俺」
「邪魔だ!どけっ」
南沢先輩は俺を見てくれなかった。
倉間、倉間と泣きながらあいつの
名前ばかり呼ぶのだ。
「ねえ、それ。息してないよ」
その言葉に南沢先輩は俺を睨んだ
なんでそんな顔するのかわからない
俺には一生理解できない。




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初めて続きのある話を書きました
なんだか最終的には悲しくなり
ました。すいません
やっぱりハッピーエンドが一番
ですかね?これはこれで満足
できましたけど…

最後まで読んでくださった方、
本当にありがとうございました


2012.08.05