倉南 | ナノ





今日は倉間とデートだ。いつもなら
時間は必ずと言っていいほど5分前
に来ている筈なのに今日は何故か、
見当たらない。しかも5分も遅れて
いるではないか。もしかしたら事故
なんて嫌な想像をしていると見覚え
のある水色頭が目に入った。あれは
倉間か?近づいてみるとやはりあの
水色頭は倉間らしい。でもいつもと
違ってふらふら覚束ない足取りで、
歩いている。まあたまに待つくらい
どうってことないが、いったい倉間
はどうしたのか。とても心配だった

「遅くなってごめんなさい」
「ああ、それはいいけど」
「じゃあ俺の家いきましょう」

あれ?いつもなら嫌がる倉間を無理
に家に連れて行く筈なのに今日は、
倉間から誘うなんて…おかしいなと
思いながらも、倉間から誘ってくる
なんて嬉しい話初めてなので少し、
テンションが上がる。やっと素直に
なったんだな。なんて言って頭を、
ぽんっと撫でてやった。

「ちゅう…したい」
「ええ!お前…」
「なんすか?だめ?」
「だめ…じゃない。」

内心驚きつつも嬉しい気持ちで
いっぱいだ。ちゅっと可愛らしい
音を立ててほっぺたにキスをした
本当の所は唇にしてほしかった
と言うのは内緒だが。

「倉間?今日どうしたんだ?」
「なんにもないですよー」
「ならいんだけどな…」
「ほら、家つきましたよ。」

ガチャっと扉を開けると部屋の中
には沢山のお酒のからが転がって
いた。こんなに大量に飲んだのか
倉間がおかしくなっていたのも、
この大量なお酒のせいだったのか

「倉間っうっわ!」
バタンと大きな音を立ててベッド
に倒された。なんだなんだ?
いきなり。びっくりしすぎて頭を
打ってしまった。

「うーちゅうしたいー」
「倉間っお前ばかっ!」

おもむろに顔を近づけてキス
をした。さっきとは違って唇に。
嬉しくなって倉間を抱き締めよう
としたらもうすでに寝てしまって
いたらしい。はあ、これからいい
ところだったのになあ。なんて、
思いながらも頭を撫でた。天使
みたいな寝顔ですやすや言っている
南沢先輩大好きなんて寝言も
しっかり聞いた。今日は嬉しい事
ばかりだ。

「倉間大好きだぞ」
「俺もです…」

まさかと思って見てみるとやはり
寝ていた。





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ありがとうございます!


2012.08.03