*ほぼ会話文です




ダダダ、という凄まじい地響きと共に奴が現れた。
階段を上ってすぐ、廊下の一番端にいる高杉の元へ、示し合わせたかのように向かいの一番端から猛ダッシュで近付いてくる人物―神威だ。




「高杉ーーー!!!」

「うわ、」

「やあ」

「あァ」

「俺誕生日なんだけど」

「あ?」

「誕生日!ハイ、3・2・1」

「オメデトゴザイマス」

「アリガトゴザイマース!」

「…なんだよ」

「プレゼント」

「は?持ってねェよ」

「………」

「何その顔。お前そんな顔もできんのか」


ピロリロリーン♪


「うは、今世紀最大のスクープ画像でィ」

「沖田!」

「はいはい誕生日な、おめでとさん。これプレゼント」

「!」

「今までのお前のオモシロ写真でィ。今日は写真の日だからねィ」

「…なかなかドSだね。泣いちゃうぞ」

「おい何で俺のも大量にあんだよ」

「オマケでィ」





***


「ひじたかーー!!」

「いや、土方だけど」

「あり?土高?」

「土方だから」

「ヒジカタ、俺誕生日」

「なんでカタコト?あ、おめでとう」

「物よこせヨ」

「なんでそんな態度ォォ!?あー…マヨしか持ってねェ」

「……チッ」


「さっき聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど、お前ら何やってんの?」

「やあセンセ、俺誕生日なんだよね」

「さっき聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど、そうなんだ。おめでとう」

「うん、だから何かちょうだい」

「さっき聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど、そうさな〜仕方ねェからレロレロキャンディーやるよ。特別だそ?」

「なんかデカ」

「先生、さっきからくっついてる文章うざいんですけど。しつこいんでやめて下さい」

「んだとコラァ!ひじたかとか言われて調子乗ってんじゃねェぞコラァ!」





***


「そこの人ー!ちょっとそこの人ー!」

「え、俺?」

「うんアンタ」

「ちょっとォ!山崎だから!そろそろ覚えてよ!」

「ねぇ、プレゼント」

「いやいや何でいきなりプレゼント!?もう絶対めんどくさくなってきてんだろ。飽きてきてんだろ」

「早くしないとそのラケット折っちゃうぞ」

「ああやめて!それだけはやめて!なんか知んないけどあんパンあげるから!」

「なんか一番マシな気がするからまあいっか」

「何その言われよう」


「お、ザキに神威くんじゃないか!」

「あ、ゴリラくん」

「いや、近藤なんだけど!」

「近藤くんはゴリラだから、バナナかな?」

「え?何が?何がバナナなの!?ザキィ!」

「もうお前らだりーよめんどくせーよ!」




***


「結構集まったねィ」

「兄妹揃って酢昆布かよ」

「今回いかにみんなのキャラ設定が食べ物ばっかりかよく分かったヨ」

「それを言っちゃあお仕舞いだぜィ」

「ほら、食いもんばっかでのど乾くだろ」

「コレ高杉のプレゼント?」

「ああ、牛乳だ」


その日神威の机に並んだのはさまざまなプレゼント。一つ一つは頼りないそれらだが、集めてみると少し豪華に見える。
神威はつい先ほど手に入ったパックの牛乳を飲みながら、いつまでも懐かしいオモシロ写真たちを眺めていた。




*今度は神威いっぱい出せました…!