June 13th

去年かそのまえくらいの夏のきおく。近くの神社でのお祭りにわたしはともだちと行ったとき。最初に二重にご縁がありますようにって25円をお賽銭箱にいれて、そのあとはたしかイチゴ飴とチョコバナナを食べて、そして偶然会った先輩にたこ焼きを買ってもらってわいわいして、そのともだちの家に帰ってガールズトーク。もはやマシンガントーク。気づいたら夜が明けていて、でも眠くないからお散歩しようということでまだ少し暗い朝を歩いて、そして流れできのうの神社へ。後の祭りを目の当たりにして、なぜかふたりでにやにや。きっと 寝てなかったからテンションがいろいろとおかしかったんだとおもう。まだ残ってた白髪混じりのおばあちゃんの屋台で水飴を買って宮内を練り歩く。そして金魚すくいのおじさんが屋台の片付けをしていた。金魚を掬っては袋に入れ、掬っては入れ。ピチピチ。わたしがじっと見ていたからかおじさんがこちらに気づいて、やあと言った。

「その金魚たちどうするの?」
「どうするもなにも、こういうものなんだよ」

へへへ。そう笑いながらザバザバとざるで掬った金魚を袋に入れる。白い袋に赤と黒が透けて見えて、なぜかその濁った色がいまでもやけに鮮明に思い出せる。ピチピチ。そんな音が聞こえたような、聞こえなかったような。
こういうものってなんだろう。悲しくなって、まだ水槽に残っている金魚を見た。なんだか浅ましいと思った、気がするような、しなかったような。

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