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わたしのウサギを壊された。甘いチョコレートの夢と綿飴の想いとキャラメル色の後悔とがつまったかわいいかわいいわたしのウサギ。それが壊された。わたしはすうっと気が遠くなった。ドロドロと涎を垂らしながら、首はぽっきりと折れて、臓器はメチャクチャに粉砕されて、辺りにはベタベタに汚れた毛が散らばっていた。わたしはだんだん意識を取り戻してきたが、やはりこの現実をそう易々と受け入れることはできなかったし、受け入れたくなかった。命有るものいつかは滅び、形有るものいつかは壊れる。なにか失ったときにはその言葉がいつも頭を過ぎって、いつもはそうやってなんとか自分を納得させてきたけれども、だけれども。こうやって言葉を逃がしてしまっているのはわたしはそれほどまでにウサギが愛おしくて、腐ったっていい、むしろ大事にし過ぎて腐らせてしまうくらいに、ほんとうにほんとうに大切なものだったのだ。それがいまはこうだ。わかっている。割れた卵は元には戻らない。わかっている。わかっているじゃない、わかれ、わかれわかれわかれわかれわかれわかれ。ダメだ、じぶんのこの目で見ているというのに、じぶんの目の前にあるというのに、ああ、どうして。どうしてわたしのかわいいウサギちゃん。どうしてそんな姿になってしまったの。わたしがあなたのなかに詰め込んだものはもうとっくにお空に逃げてしまったじゃないの。酷い。だれがこんな酷いことを。わたし、許さないわ。more
 嘔吐(1012)
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